1.個人民事再生手続とは
個人民事再生手続とは、大まかにいって「[1]債務の一部(弁済額)を、裁判所が認めた計画にしたがって、[2]一定期間(弁済期間)にわたって弁済することで、残りの債務を免除して貰える手続」のことです(ただし住宅ローン分は別)。
2.どのような方に適しているか
住宅ローンを抱えており、住宅をどうしても手放したくない方
「6.住宅ローンについて」で述べるように、個人民事再生手続においては、一般債権の弁済とは別に住宅ローンを支払うことになります。それによって、住宅ローンについては不履行がないことになり、住宅を手放さずに済みます。
自己破産の場合は、全ての資産を換価することになりますから、このように住宅ローンだけを特別扱いして支払い、住宅を守ることは出来ません。
したがって、個人民事再生手続は、住宅ローンを抱えており、住宅をどうしても手放したくない方に向いているといえるでしょう。
ただし、一般債権の弁済をしつつ住宅ローンも支払うのは、よほど安定した収入があり、家計の管理がしっかりしていないと無理がありますから、どのような手続を選択するかは慎重に検討すべきでしょう。
自己破産が出来ない方
「自己破産をした場合には、復権(免責)するまで様々な資格制限を伴うことになりますが(例:警備員、保険の外交員)、個人民事再生手続にはそのような制限がありません。したがって、資格制限のために自己破産が出来ない方にも向いていると言えます。
自己破産は出来る可能性があるが免責に問題がある方
自己破産をすることが出来る場合でも、借金の主な原因がギャンブルや遊興費など浪費と見られる場合などは、免責が受けられない可能性があります。そのような場合に、次に述べるような継続した収入がある方は、個人民事再生手続によって債務整理をするのが向いていることがあります。
3.どのような人が利用できるのか
どのような人が適しているか、という問題とは別に、法律上あるいは実務上、どのような人が個人民事再生手続を利用できるのでしょうか。
継続した収入がある方
個人民事再生手続においては、「将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込み」(小規模個人再生の場合)「給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがあって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれる」(給与所得者再生の場合)ことが必要です。
具体的には、「将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込み」とは、少なくとも今後3年以上にわたって、3ヶ月に1回以上の割合で収入が得られる人を意味するとされています。
また、「給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがあって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれる」とは、[1]源泉徴収票等の客観的資料に基いて過去の収入を把握できる、[2]過去、及び少なくとも今後3年以上にわたって、年収単位で20%以上の収入の変動がない、ことを意味します。
家計の管理がきちんと出来る方
個人民事再生手続においては、申立時に3ヶ月分の家計簿の提出が求められますし、実際の弁済がスタートした後は最低でも3年間は返済をしなければなりません。したがって、家計をきちんと管理し、収支のバランスをとる習慣を身につけていない人にとっては、非常に厳しい手続といえます。
したがって、当事務所では、ご依頼を受けた直後から家計簿をつけていただき、きちんと収入の範囲内で生活が出来るか、弁済が始まった以降も弁済をしていけるか、についてチェックをさせていただいています。
また、弁済予定額(たとえば弁済額が100万円、弁済期間が3年間であれば約2万8000円)について、なるべく早い段階から積み立てをしていただくことになります。
4.弁済すべき債務額(住宅ローン除く)
では個人民事再生手続において弁済すべき「債務の一部」(弁済額)とはいくらなのでしょうか。
原則
- 債務総額が100万円以下の場合:当該債務総額
この場合は、債務総額のカットはありません。 - 債務総額が500万円以下の場合:100万円
最低弁済額は100万円となっていますので、債務総額が500万円以下の場合は、弁済額=債務総額の20%ではなく、100万円が弁済額となります。
例えば債務総額が300万円の場合は、300万円×20%の60万円ではなく、最低弁済額である100万円が弁済額ということになります。 - 債務総額が500万円から1500万円までの場合:債務総額の20%
この場合は、原則どおり弁済額=債務総額の20%となります。
例えば債務総額が1000万円の場合は、1000万円×20%の200万円が弁済額ということになります。 - 債務総額が1500万円から3000万円までの場合:300万円
債務総額が3000万円以下の場合、弁済額の上限は300万円となります。
したがって、この場合の弁済額は一律300万円です。
例えば債務総額が2000万円の場合は、2000万円×20%の400万円ではなく、300万円が弁済額ということになります。 - 債務総額が3000万円から5000万円までの場合:総債務額の10%
例えば債務総額が4000万円の場合は、4000万円×20%の800万円ではなく、4000万円×10%=400万円が弁済額ということになります。 - 債務総額が5000万円を越える場合
個人民事再生手続は利用できません。
その他の修正
原則的には、弁済額は上に述べたように、総債務額の●%という計算によって決まります。しかし、これに加えて「保有している資産による修正」と「可処分所得の金額による修正」(給与所得者再生の場合)があります。
- 保有している資産による修正
個人民事再生手続における原則の一つとして「弁済額は保有している資産額を下回ってはいけない」というものがあります。
たとえば債務総額800万円、保有資産額200万円の人の場合、先ほど述べた債務総額別の分類によれば、800万円×20%=160万円が弁済額となるはずです。しかし、200万円の資産を持っているにもかかわらず、160万円弁済すれば残りの債務を免除して貰えるというのは債権者からしてみれば納得がいかないでしょう。
したがって、この場合は800万円×20%=160万円ではなく、保有している資産額である200万円が弁済額となります。
このように、「弁済額は保有している資産額を下回ってはいけない」という原則を「清算価値保証の原則」と言います。 - 可処分所得の金額による修正(給与所得者再生の場合)
個人民事再生手続には「小規模個人民事再生」と「給与所得者再生」の2種類があります。両者の大きな違いは、再生計画が認可されるにあたって、債権者の多数決による賛成が必要なのかどうか、という点です。
「小規模個人民事再生」の場合、再生計画が認可される条件として、債権者の多数決による賛成(正確には「反対する債権者数、債権額の合計が半分以下の場合は可決されたことになる」ですが)が必要とされています。
一方、「給与所得者再生」の場合、債権者の多数決による賛成は必要とされていません。したがって、再生計画が認可されやすいという面はあります。
そのかわり、「給与所得者再生」においては、「弁済額が可処分所得の2年分を下回ってはならない」という原則があります。
したがって、例えば債務総額1500万円、保有資産150万円、可処分所得200万円の人の場合は、1500万円×20%=300万円ではなく、可処分所得200万円×2=400万円が弁済額ということになります。
ただし、現実には「小規模個人民事再生」の場合でも、多くの債権者が再生計画に反対することは稀ですので、「小規模個人民事再生」の申し立ての方が現実的であることも多いと言えます。
5.弁済期間について
弁済期間は原則として3年間となっています。
ただし、「特別の事情」がある場合(たとえば収入が少なくて弁済期間を3年間にすると生活に破綻を来す可能性がある場合)には、最長5年までの期間を定めることが出来ます。
したがって、例えば債務総額350万円の人の場合、
弁済額=100万円
弁済期間3年間
ですから、
100万円÷36ヶ月=2万7777円
となって、毎月約3万円弱を3年間、合計100万円を支払えば残りの250万円は免除される、ということになります。
6.住宅ローンについて
個人民事再生手続において、住宅ローンは他の債権とは違う特別扱いをされます。一般の債権は「4.弁済すべき債務額(住宅ローン除く)」で述べたように、原則20%にカットされた上、分割払いの対象となるのですが、住宅ローンは、一般債権とは別に、しかも全額を支払わなければなりません。逆に言えば住宅ローンは全額支払うことによって、担保権は実行されず、住宅を守れることになるのです。
しかし、このように住宅ローンを特別扱いしている結果、住宅ローンを抱えている人が個人民事再生手続を申し立てた場合、「本当に支払えるのかどうか」という点について裁判所から厳しい審査がされることになります。したがって、住宅ローンの滞納がある場合には、実務上は、裁判所への申立前に滞納分全額を解消する必要があります。
また、住宅に、住宅ローン以外の担保(例えば貸金業者の不動産担保ローンなど)が設定されている場合、住宅ローンを特別扱いすることは出来ません。
したがってこのような場合、住宅ローン以外の担保を抹消しなければ、住宅を守れないということになります。
7.税金について
また、税金についても、一般の債権とは異なり、カットの対象となりません。
したがって、税金の滞納がある場合には、それを一般債権、住宅ローンとは別にどの様に支払っていくのか、という点について役所と相談をしなければなりません。
8.手続きの流れ
(1)聞き取り、方針決定
「2.どのような方に適しているか」「3.どのような人が利用できるか」で述べたように、個人民事再生手続きを利用する必要があるかどうか、必要があるとしても果たして裁判所で再生計画が認可されるかどうか、について依頼者の方とご相談しつつ、慎重に検討することになります。
(2) 受任通知の発送
弁護士が債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)を受任した場合、すぐに各債権者に対して「受任通知」を送ります。
これは「この債務者の債務整理の件については弁護士が依頼を受けました。以後は本人への請求等はしないで下さい。」という内容のものです。
この受任通知を受け取った債権者は、債務者本人には一切連絡が出来なくなり、以後は受任した弁護士を通じてしか連絡が出来なくなります。
したがって、この受任通知を送ると、これまで返済をしていた債務者についても、一旦は返済をしなくてよくなります。
むしろ、受任通知を送った以降は、一部の債権者に返済をしてはいけませんし、当たり前のことですが、借入をしてもいけません。要するに、受任通知送付後は、どこからも借り入れてはならず、返済してもいけない、ご自分の収入の範囲内で生活をしていただく、ということになります。
また、この受任通知を送る際、弁護士は各債権者に対して「債務者との間の取引履歴を開示してください。」という要請もします。これは、取引履歴の開示を受けることで、利息制限法による引き直し計算(「(7)利息制限法による引き直し計算」参照)を行うためです。
(3) 家計簿をつけ、積み立て開始、必要書類の収集
「3.どのような人が利用できるか」で述べたように、ご依頼を受けてからすぐに家計簿をつけていただきます。また、可能な時期からは、積み立ても開始していただきます。
さらに、個人民事再生手続に際しては、多数の書類(住民票、通帳、生命保険証券等)を集めたり、色々な書類を作成する必要があります。その準備も開始することになります。
(4)取引履歴の開示
個人民事再生手続においては、残債務額については一部カットの上弁済していくことになりますから、正確な債務額を確定する必要があります。
そこで、弁護士は各債権者に対して取引履歴の開示請求をします。
弁護士が各債権者に受任通知を送ると、通常2、3週間で各業者は弁護士に対して取引履歴を開示してきます。
もっとも、「(5) 利息制限法について」のところで述べるように、取引期間が長ければ長いほど業者にとっては不利になるので、業者によっては、一部の取引履歴しか開示してこないこともあります。その場合、取引の開始時についての資料(契約書や古い返済履歴等)があれば簡単に反論できるのですが、そのような資料を保管している人はほとんどいません。そのような場合には、債務者の記憶に照らし合わせて適宜反論し、再度取引履歴を開示するよう請求するしかないことになります。
(5) 利息制限法について
金銭の貸付に際しては、利息制限法という法律を守らなければなりません。
そして、この利息制限法は、貸付の際の金利について以下のようにその上限を定めています。そして、その上限を超えた利息による貸付については無効としているのです。
元本 | 利息 |
---|---|
10万円未満 | 年利20% |
10万円以上100万円未満 | 年利18% |
100万円以上 | 年利15% |
しかし、現実にはほとんどのサラ金、クレジット会社がこれまでこの上限金利を超える高利で貸付をしてきました。そして、それらの業者から借入をしていた人たちは、当然のことながら、その高利によって計算された利息と元金を支払ってきたはずです。
その場合、どの様なことが起こるのでしょうか。
現在の判例においては、利息制限法に定める金利以上の金利に基づいて支払った利息は、払いすぎたものとして元本に組み入れて計算をしていいことになっています。その結果、そのような業者と長い期間取引をしている場合、自分が思ったよりも多く返済したことになります。
すると、正味の借入額というのは、現在業者から請求されている金額より、だいぶん減るか、あるいは逆に借り入れた金額より返済額の方が多くなり、払いすぎた金額を業者から返して貰わなければならない、ということになります。
この「払いすぎた金額」のことを「過払金」と言います。当然のことながら、取引期間が長ければ長いほど、債務額が減ったり、過払金が返ってきたりする可能性が高くなります。返済状況や借入額にもよりますが、通常7、8年間取引をしていると、正味の債務額は0になっていることが多いと思われます。
債務整理の方針を決定するためには、このようにして利息制限法による引き直し計算後の「正味の金額」を確定する必要がまずあります。
ただし、銀行などからの借入は、もともと利息制限法に定める利率以下の利率によるものが多いですから、引き直し計算をしても債権額は減りませんし、過払金も発生しません。
(6)利息制限法による引き直し計算
開示された取引履歴をもとに弁護士に利息制限法による引き直し計算を行います。この計算の結果、過払金が発生していれば過払金を請求することになりますし、残債務が残れば、その残債務について個人民事再生手続をとることになります。
もっとも、実際にはこの「利息制限法による引き直し計算」の方法について弁護士と債権者との間で見解の相違が見られることが多々あります。
もっとも問題になるのは、取引途中で中断がある場合です。すなわち、ある借り入れについて一旦完済した後、しばらくして再度貸付を受けるということはよくありますが、そのような中断がある場合に、[1]全てを一連の取引として計算するのか、[2]完済前の取引と再借り入れ後の取引を別々に計算するのか、によって計算結果が大きく異なってきます。
[1]の一連計算の方が債務者にとっては有利なことが多く、[2]の分断計算の方が債権者にとって有利なことが多いのです。
場合によっては、[1]の計算方法によれば過払い金が発生するけども、[2]の計算方法によれば返済しなければならない債務が増える、ということもあります。
取引途中で中断があった場合に、一連で計算するか、分断して計算するか、については現在のところ最終結論は出ていませんが、近時の最高裁判決によれば
- 第1の基本契約に基づく貸付け及び弁済が行われた期間の長さ
- 第1の基本契約の最終の弁済から第2の基本契約に基づく最初の貸付けまでの期間
- 第1の基本契約についての契約書の返還の有無
- 借入れ等に際し使用されるカードが発行されている場合にはその失効手続の有無
- 第1の基本契約に基づく最終の弁済から第2の基本契約が締結されるまでの間における貸主と借主との接触の状況
- 第2の基本契約が締結されるに至る経緯
- 第1と第2の各基本契約における利率等の契約条件の異同等
などの点を重視して判断することになります。
なお、この最高裁の事例においては、第1基本契約に基づく最終の弁済から約3年間が経過した後に改めて第2基本契約が締結されたこと、第1基本契約と第2基本契約は利息、遅延損害金の利率を異にすることなどを理由に、上記諸点について再度審理をさせるため、事件を高等裁判所に差し戻しました。
(7)過払金の請求(交渉)
引き直し計算の結果、過払金が出ていれば業者に対して返還を請求することになります。もっとも、業者が過払金全額をすぐに支払ってくることは稀であり、通常は過払い金額の何割かを免除してほしい、という話を業者から持ちかけられることがほとんどです。そのような場合には、過払い金の額、業者が主張している金額、仮に裁判に持ち込んだ場合に回収できる金額等を勘案して依頼者の方と相談して対応を決めることになります。
なお、最近は中小の貸金業者の経営状況はきわめて悪化しているようで、過払い金額の5割以下、ひどい場合には1割や2割で話し合いがつかないか、と持ちかけてくる業者も多いのが実情です。
交渉の結果、返還額について当方と業者双方の意見が一致すれば合意書を作成した上で過払い金の返還を受けることになります。
交渉が決裂した場合には、過払い金の支払いを求める裁判を提起することになるのが原則ですが、個人民事再生手続の場合、裁判までして過払い金を取り戻すケースは少ないのが実情です。
(8)裁判所への申立
利息制限法による引き直し計算を行い、正確な債務額を把握できたこと、
家計の管理がきちんと出来ていること、書類の準備ができたこと、を確認した上で裁判所に申立てをすることになります。
相談後2、3ヶ月後の申立が通常ですが、住宅ローンの滞納がある場合や、弁護士費用の分割払をしている場合等、場合によってはもう少し時間をおいて様子を見てから申立をすることもあります。
(9)個人民事再生手続開始決定
裁判所に申立てをした後、特段問題がなければ裁判所によって個人民事再生手続開始決定がなされることになります。いよいよ手続がスタートです。
(10)債権調査
個人民事再生手続においては、弁済の対象となる債権がいくらかという点について調査を行います。もっとも、ほかの法的整理手続(破産手続や通常の民事再生手続)に比べるとかなり調査方法が簡略化されていますので、それほど時間はかかりません。
(11)再生計画案の作成、提出
個人民事再生手続きにおいて、カットされた後の債務をどのように返済していくか、という弁済計画を「再生計画」と言います。通常は3年の弁済計画を立てることになります。弁済計画中の利息はつきません。
(12)再生計画案認可決定
再生計画に特段問題がなく、債権者の同意も得られた場合には、再生計画について裁判所により認可決定がなされることになります。
(13) 弁済の開始
通常、再生計画に対する認可決定が確定した月の翌月から弁済を開始することになります。個人民事再生手続においては、弁済計画中、裁判所から指導監督を受けることはありません。
再生計画にしたがってきちんと履行していってください。
9.個人民事再生手続における注意事項
借入の禁止
弁護士が債権者に受任通知を送った後は、サラ金業者や信販会社からの借り入れはできず、カード等は直ちに返還する必要があります。カード等を使用したり、新たな借り入れをしたりした場合には、詐欺罪で刑事告訴されることもあります。
ただし、住宅ローンは従前どおり支払ってください。
自動引落し
弁護士が受任通知を出しても、自動引き落としの手続は当然には止まりません。そのため、自動引き落としの銀行口座は残高をゼロにしてください。
給与や年金などが振り込まれる銀行が債権者の場合
給与や年金などが振り込まれる銀行が債権者の場合、受任通知を出すと、銀行から払い出しを拒否されることがあり得ます。給与や生活保護費、年金、児童扶養手当などが振り込まれる銀行が債権者の場合には、直ちに振込口座を変更してください。
一部の債権者に弁済すること、特定の債権者を外すこと
ある特定の債権者(たとえば暴力団関係者からの借入)を債権者一覧表から外したり、一部の債権者だけ(たとえば保証人がついている債権者)に弁済することはできません。もしそのようなことをした場合、不利益を被る可能性がありますので、十分注意してください。
直前の弁済
弁護士に相談される直前に一部の債権者(例えば親戚等)に弁済している場合には、当該弁済額が、個人再生手続における弁済額に影響します。必ず弁護士にその点について伝えてください。
ブラックリスト
個人民事再生手続の申立をした場合には、債務全額の支払をしないため信用情報機関に登録される(いわゆるブラックリスト)ことになります。
本人の出頭
弁護士に依頼した場合にも、裁判所に本人が1回もしくは2回は出頭するよう求められる可能性があります。裁判官は、本人に質問をします。出頭しないと裁判は開かれませんし、無断で欠席すると申立が却下されます。
保証人の責任
個人民事再生手続の申立をしても、保証人は債務を免れず、当然責任を追及されることになります。したがって、事前にあなたから説明や連絡をしておく必要があります。
クレジットで物品を購入している場合
クレジットで所有権留保付きの物品を購入している場合(自動車等)、弁護士から債権者(信販会社)に受任通知を発送すると、原則として信販会社からは、クレジットで購入した物品を返還するように求められます。